パールマネキンのクリエイティブに欠かせないクリエイターを紹介するインタビュー企画「クリエイティブの美学」。今回は、パールマネキンでアートディレクター兼什器開発リーダーとして活躍する廣瀬 純也(ひろせ じゅんや)を紹介します。

空間デザインとソリューションを叶えてきた廣瀬のクリエイティブの美学とは?

▲廣瀬 純也 / 1980年9月20日生まれ。パールマネキン アートディレクター 兼 什器開発リーダー。JAZZ, CLUBJAZZ, ROCK, プログレ, FUSION, HOUSE…と幅広いジャンルの音楽に親しんでおり、音楽よりインスピレーションを受けることが多いという。過去にはDJやバンド活動も積極的に行なっていた。週末にフットサルで汗を流す事で心と体を解放している。

名古屋にあるインテリアデザインの専門学校を卒業後、2000年にパールマネキンに入社しました。VMDに関わる様々な案件を幅広く経験し、現在はショップデザインを多く手掛けています。

ショップデザインの感覚を住空間に落とし込むと、非日常と日常のバランスが面白くなり、新しい感覚が生まれる。…そんな想いから、インテリア産業協会が主催する「住まいのインテリアコーディネーションコンテスト」に応募し、学生時代も含めると3度受賞しました。

店舗、什器デザイン、ツールデザイン、コンセプトワーク等が主な業務ではありますが、パールマネキンのオリジナル什器開発リーダーとしても昨年から携わり、トレンドを取り入れながらニーズをカタチにしています。今年リリースされた新作什器『AXRO』は、TOKYO2020に向けて益々盛り上がりを見せ、アクティブなライフスタイルとしてファッションにまで浸透するスポーツ市場に向けて開発した自信作です。

オリジナル什器『AXRO』。スポーツブランドをターゲットに組合せ次第で様々な空間に対応できる。( 什器の詳細はpearlydays思わず滞在したくなる! 魅力的なショップに共通する5つのポイント をご覧ください!)
某アパレルブランド内装デザイン設計:オーセンティックと革新/伝統をコンセプトに設計。
二子玉川ライズ・ショッピングセンターにある某アパレル店内装デザイン設計:ブランドの世界観に寄り添うミニマムなデザインに。

様々なカルチャーや人と触れ合うことが刺激に

パリ オペラ座の影。
デザインをする上で大切にしていることは何ですか?

1つは、人を『幸せ』にできているかどうか。学生時代に教わったデザインの意義です。形になるものは、触れたり体感する人にとって少なからず影響するもの。生活や人生のプラスになれば、そのデザインは正解だったと言えます。

2つめは『黄金比』。自然界の法則でもある黄金比(1:1.618)は、人にとっても心地よいバランス。ロゴやアートをはじめ様々なものの基準にもなっています。数年前に展示会のブースデザインに初めて意識して取り入れました。最近では弊社”東京スクエア”のエントランスデザインに取り入れました。パールマネキンのサインも入るので、全てを黄金比で構成することですっと馴染むエントランスになっています。

黄金比を”意識して”取り入れた展示会ブースデザイン。
黄金比を取り入れた、パールマネキン東京スクエア事務所エントランスのサイン計画。
尊敬している or 憧れの人はいますか?

JAZZ界の先駆者:ハービー・ハンコック(Herbie Hancock) 。もう80歳近いでしょうか。JAZZを越えて最先端のテクノロジーを常に模索している方です。”JAZZに縛られない”スタイルで新たな試みや、若いアーティストとのコラボレーション等、常に一歩先を行く先見性は簡単には真似できない”クリエイター”です。

ハービー・ハンコック (Herbie Hancock)
アメリカ合衆国イリノイ州シカゴ出身のジャズ・ピアニスト、作曲家、編曲家、プロデューサー。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)” ハービー・ハンコック ” 』
大事にしているもの・ことは何ですか?

「遊ぶ」こと。広い意味でです。多くのものを見て、知って、蓄積して自分をアップデートしていく…そんな感覚です。

10年前は週末にDJ活動をし、カルチャーと人に触れることで刺激を沢山もらいました。今でも刺激を受けそうなモノ、コト、空間には惜しみなく時間を注ぎます。

もっとも影響を受けた本はありますか?

学生時代に読んだ、谷崎潤一郎 随筆の「陰翳礼讃
(いんえいらいさん)」
。日本の美の感覚や光と影、自然と一体になった生活。この本に出会えたことが今でもデザインをしていく上でのベースとなっています。

今いちばんしたいことは何ですか?

サグラダ・ファミリアを体感したいです。1882年から2026年まで約150年を要する、”生きる建築”は唯一無二です。

好きな空間や印象に残っている空間を教えて下さい

ニューヨーク、パリ、ロンドン、イタリア、スウェーデン、ヘルシンキ、デンマーク…トレンドはもちろん、歴史ある建築や空間に多々触れてきました。中でもニューヨークの最先端ストア:NIKE house of innovation 000、スウェーデンの世界旗艦店H&M、タイのsiam discoveryが最も印象に残っています。

トレンドリサーチの合間にはセントパトリック教会や、イギリスのグロスター大聖堂(ハリーポッターのロケ地でも有名)、デンマークのチボリ公園等、 ”インスピレーションの源”として教会や歴史のある建築も必ず訪れる様にしています。

バンコク:siam discovery内 無限に広がる空間。
デンマークのチボリ公園のエントランス。洗練されたXmasを演出。ずっと浸っていたい・・・そんな空間。
ニューヨークのNIKE HOUSE OF INNOVATION 000。まるごと入れ替えPOPUPスタイル店舗に感嘆を受ける。(このレポートはpearly daysテクノロジーは顧客体験を変える! NY最新デジタル店舗4選 をご覧ください!)

時代の進化と共に、常に”自身をアップデート”していきたい

Online to Experience…

トレンド・時流はありますが、テクノロジーの進化により私たちの環境も、仕事も、生活も、デザインも手法も新しい方向へどんどん変化していきます。これからはオンラインと実店舗(リアル店舗)を結ぶソリューションを考えていかなければなりません。リテールテイメント の先にある、オンラインとオフラインを如何にシームレスに調和できるか( = ハーモナイズド・リテール )を、デザインを通じて模索していきたいです。

デザインでソリューションをしていく為にも、今まで以上に、仕事もライフスタイルも”自身をアップデート”していくことを常に考えていきます。

オンラインの先にはミュージアムの様な店舗がこれからも増えていくと予想しています。