ある日、この pearly days の記事を見たという方から1通のメールが…

『 私たちは「リテールテイメント、特にOMO」について研究をしております。この度、御社訪問をさせていただき、詳しくリテールテイメントについてお話をお伺いしたく存じ上げます。』

このメールの送り主は明治大学 経営学部 大石ゼミナールの2年生4名。私たちもぜひ若い世代の考えや意見をきいてみたい!と、3月某日、パールマネキン東京スクエアにて座談会を開催しました。その様子を3回に分けてお届けします!

今回の座談会メンバーはこちら。明治大学 経済学部 大石ゼミナールの学生4名と、パールマネキンより後藤・桂川・廣瀬、とパーリィも参加しました。

リテールテイメントってなんだろう?

後藤 今回頂いたメールでは、「リテールテイメント」「OMO」をテーマにしたお話とのことでしたが…なぜそのテーマに?

学生A 海外では多くのリテールテイメント店舗があるのに、日本ではまだ普及していないと感じています。実際にリアル店舗において「無償で体験を提供する事」がリテールテイメントにおいて多くあると思うのですが、それが最終的に企業の利益になるという結果を出すことで、日本でも取り入れやすくなるのではないかと考えました。日本の小売りを変えられると思ったんです!

後藤 素晴らしい!まず前提として、「リテールテイメント」というワードに対して、パールマネキンとしては、

後藤 …と定義しています。

桂川 皆さんが思う「これってリテールテイメントだな」と思う例とかありますか?体験したこととか。

学生B 自分で実際に体験したわけではないんですけど、IKEAのお泊り体験なんかはリテールテイメントの一種なのかなと思います。

学生A LUSHとかもきっと…店頭でスタッフさんが実際に泡立てての実演接客とか…

後藤 なのでやられてる企業はあるんですよね。ただ日本企業ではまだ事例が少ない気もします。

リテールテイメントはパフォーマンスに直結する商品と相性抜群

学生A ちなみにリテールテイメントに注力している企業ってどんなところがありますか?

廣瀬 例えば昨年オープンした渋谷PARCOに入っているNintendo TOKYOなんかは、キャラクターの世界観を体験させる空間という意味ではリテールテイメントにつながるんじゃないかなって思います。あとはスポーツやアウトドアメーカーは特に注力していると思います。NYの addidas に行った時、店内にフットサルコートがあるんですけど、シューズを試着した上でボールを蹴った感覚もしっかり試せたんですよ。もちろんECでも商品は買えるんですけど、実際着たり履いたりすることでどんな動きが出来るかまではわからないじゃないですか。リアル店舗での体験は大切ですよね。

後藤 私は最近南町田グランベリーパーク内に出来たmont-bellの新しい店舗へ行ったんですけど、巨大なクライミングの壁があってボルダリング体験できたり、カヤックが体験できる人工池があったり、やっぱりアウトドア系は体験型に力を入れてますよね。

桂川 体験する事がマストですよね。スポーツやアウトドアなどは特にパフォーマンスに直結する商品ってこともあるので、体験をしないと購買につながらないですもんね。

スーパーマーケットでも成立するリテールテイメント

学生A ちなみにスーパーマーケットのような日用品などを売っている小売店ではリテールテイメントを取り入れるのは難しいのでしょうか?

後藤 上海の盒馬鮮生(フーマー・フレッシュ)っていうスーパーマーケットへ行ったのですが、店頭にイケスがあって、消費者自ら網で魚を捕って、その場で注文してイートインスペースで料理が食べられるっていう。それはある意味リテールテイメントなんじゃないかなと思う。

学生C でも日用品を扱うところって、リテールテイメント化しなくてもお客さんは来ると思うのですが、なんで中国ではスーパーマーケットなどがリテールテイメントを取り入れてるのでしょう?

後藤 新鮮な魚介ってあまり中国で手に入らないんですよ。なので彼らは特にリテールテイメントを意識してやってるわけでは無いと思うんですけど、店の入口に海鮮の生簀をおいてパフォーマンスしてるんですよね。なのでそれは中国なりのスタイルなのかもしれませんね。

リテールテイメントとは「買い物好き」な人間の習性を最大化させること

廣瀬 ちなみにGinza Sony Parkは体験に特化してて、先日までやっていたQUEENのイベントなんかは、楽曲の世界観にお客さんが入り込むような遊び体験が色々できて、ちょっとした物販もあってCDとか売ってるんですけど、つい買っちゃうんですよね。

桂川 ミュージアムショップ的な感覚ですよね。

廣瀬 ダイバーシティにあるドラえもんの未来デパートも、メインはグッズ販売の小売りなんですが、店内でひみつ道具の体験が色々できるのがおもしろい!

桂川 ワクワクした感情の高ぶりで買うっていう。それをうまく誘導してますね。

学生A でもその場の感情ってことは、衝動買いじゃないですか。それがずっとずっと余韻として残って、その店舗のファン化っていうのは実際できるんですか?

廣瀬 まぁ衝動買いに関しては大体後悔しちゃいますけど(笑)

桂川 その差でしょうね。一過性のものじゃなくて、いかにファンをつくるかっていうのを本来目的にしなければならない。一時の購買で終わらせてはいけないですよね。

学生A 一過性にしてしまうと今までの小売りと変わらないですし、衰退もしていくんじゃないかなって思います。

後藤 買い物のときに、蓋然性というか、偶然見つけた喜びっていう衝動買いは、リアル店舗ならではの価値観なんじゃないですかね。本屋さんもそうだし。別にネットで買えばいいんだけど、偶然の発見があるじゃないですか。その発見っていう行為がブランドイメージの向上に繋がるんじゃないかな?まぁ高いものを衝動買いしたっていうのは後悔しかないですけど(笑)

学生A 以前本で読んだんですけど、人間っていうのはそもそも買い物っていう行為が好きで、それは変わらない事だと。ECとかだと興味のある分野しか探さないし、最近パーソナライズ化で自分に合ったものしかレコメンドされないけど、買い物に出掛ければ幅広いものが目に付く。それで偶然の発見があるので、ドーパミンが分泌される、と。

後藤 人間は感情的な生き物なので、外へ出たいし、買い物もしたいっていうのは変わらない。ただその買い方がネットでも店舗でもどっちでも出来るっていう世界がOMOなんだと思う。


リテールテイメントが未来の小売りを変える

pearly daysでも何度も取り上げてきた「リテールテイメント」というテーマ。改めて「体験」をデザインすることの重要性と、人の「買い物」へ対する感情を再発見することが出来ました。「ジェネレーションZ」と呼ばれる若い世代が今後創り上げていくであろう日本の小売りは、もっともっと楽しくわくわくするものに生まれ変わっていきそうですね!

座談会はまだまだ白熱した語り合いが続きます!…が、つづきはまた次回のpearly daysにて!