1通のメールからスタートした学生×パールマネキン座談会企画。【part1】では明治大学 経営学部 大石ゼミナールの2年生4名と 「リテールテイメント」について語り合いました。

今回はもう1つのテーマ「OMO」について、引き続き熱い議論を交わします!

座談会メンバーは引き続きこちらの7名。明治大学 経済学部 大石ゼミナールの学生4名と、パールマネキンより後藤・桂川・廣瀬、とパーリィも参加しました。

OMOってなんだろう?

後藤 では「OMO」というワードに対して、パールマネキンとしての定義をおさらいすると…

後藤 …なのですが、皆さんの中では「リテールテイメント」の中の「OMO」と理解されている感じですかね?

学生A 最初は「リテールテイメント」で研究していたのですが、リテールテイメントの幅が広すぎて、その中の「OMO型」というテーマに絞りました。

学生C 僕が読んだ論文の中では、リテールテイメントというのは昔からあって、大型ショッピングモールの広場でイベントをやったり有名人を呼んだりとか、それもひとつのリテールテイメントだと書いてあったんです。でも、それだと今までにもあるので、新しいリテールテイメントのかたちが「OMO」なのでは?と思いました。

後藤 なるほど。私の理解としては、「リテールテイメント」と「OMO」はどちらが大きいという概念はないんですよね。リテールテイメント自体も注目されたのは最近で、OMOも中国を中心に近年発展してきたものですよね。ただ、デジタルとリアルが融合した状態でないとリテールテイメントも実現できないとも思っています。

例えばOMO店舗って?

廣瀬 ちなみに皆さんの考えるOMOとは何ですか?

学生C 僕の一個人の考えなのですが、店舗を売り場として考えるのではなくて、オンラインと繋げるためにひとつの「価値」として提供する場所だと思っています。

後藤 以前行った上海の一条では、売り場にあるほとんどの商品のプライスタグにQRコードが付いていて、オンライン注文して自宅で受け取ることもできるし、その場で購入もできる。それはOMOって言えるんじゃないかな?と思いました。

学生A 日本でOMOを推進するための要素ってなにかありますか?

桂川 原宿のGU STYLE STUDIOって行ったことありますか?

学生B オープン当初に行きました。今までのGUとはちょっと違うな…って。デジタルサイネージばっかり!

桂川 あそこは「ショールーミング店舗」で、この服いいなと思ったら試着するだけ。で、実際にその服のタグにはQRコードが付いていて、それを読み取ればそのままECに繋がりますよ、っていう。

学生B まさしくOMO店舗ですね!自社のECに繋げてる!GUさんもやられてるんですね…知らなかった…。

OMOの普及に必要な事はキャッシュレスの普及

廣瀬 あと中国で発展したのはモバイルペイメントですよね。キャッシュレス。日本でこれがもっと波及しないと、なかなかOMOも広まらないですよね。

学生A 日本でOMOが普及しない原因はそこにもあるんですかね?

後藤 インフラ的理由もあるでしょうね。中国は基本キャッシュレスで、もう現金が使えませんから…。

桂川 皆さんは買い物の際って現金使います?

(学生2名) 使わないです。

(学生2名) 現金派です!

桂川 そこは50%50%(笑)

後藤 だから若い世代でも日本では未だそういう事なんですよ。中国の方ってインターネットとの繋がりが、PCからじゃなくてスマホから入ったじゃないですか。一家に一台のPCではなく1人1台のスマホの時代から。アフリカも同じで、インフラが最新のデバイスから入ってるから、僕らよりも普及が早いんですよね。

桂川 じゃあ何故中国やアフリカのITインフラが先進しているかってわかりますか?

学生C 先進国が主導して援助してくれたからですかね?自国だけだとインフラができない状況下において、他の国がインフラをサポートするからこそ、最初にできたインフラが最新のものだったんじゃないかな、と。

桂川 そう、中国もアフリカも元々、物理的なインフラがそもそも整っていなかったんですよね。物流の問題だったり、近くにきれいな水がないとか。だからCさんの言った通り先進国からの援助があって、ITインフラがいち早く普及したんですよね。

学生C なるほど!

桂川 じゃあ日本では何故現金文化がまだ残っているのか?それは日本円の信用度が高いんですよ。現金を使っても偽札がない…って皆さん信じてますよね?それに、現金を管理しているお店の人も、ちゃんとそれを会社に収める。NYではほとんどがキャッシュレス決済でした。それはレジの担当のスタッフが現金をくすねちゃう…だからスタッフを見張る監視員を付けたりしてお店を管理してたりするんですよ。もうキャッシュレスにしちゃえばその心配はないじゃないですか。そういった物理的な面と、セキュリティの面でITインフラが普及していったって背景がありますね。

日本企業がOMOを普及させるために必要なこと

学生C アメリカとか中国とか…例えば amazon(アマゾン)とか Alibaba(アリババ)とかって、オンラインを基盤としてオフラインでショールーミングとして見せるような形態を取ってきた企業が今世界を変えていると思うのですが、日本だと元々実店舗を持っていて、EC発企業に対抗するためにオンライン市場に進出したケースが多いですよね。海外の事例だと元々の基盤が違うので日本企業に対し参考にならないと思うんです。

学生B 日本の企業と比較できるような、オフライン基盤からオンライン基盤へ進出した海外事例ってありますか?

廣瀬 日本だと…例えば 高島屋 ってEC化率が2.4%(2019年2月期時点)らしいんです。でも全米で100店舗くらいある百貨店の Nordstrom(ノードストローム)は、数年前に本格的にEC参入したんですけど、今EC化率が30%まで上がっている。これはオフライン基盤からオンライン基盤進出としては一例といえるのではないでしょうか?

引用:WWD JAPAN 2020年2月29日「日本の百貨店もリセールをする時代がくる? EC化率30%のノードストロームに見る“百貨店の未来”」

https://www.wwdjapan.com/articles/1044133

学生C でもそれは本当の意味でのOMOではないのかなぁと感じてしまいました。ネットとリアルのシームレス感はなくて…なんか実店舗ありきでの作業効率化というイメージが強いので…どうなのかなぁ、と。

廣瀬 Nordstrom に関しては広いスペースでピックアップカウンターがあったんですけど、アメリカって物流がちゃんと機能してなくて、結局自分で商品を取りに行ったほうが早いんですよ。これはアメリカなりのオンラインとリアル店舗のシームレスな繋がり。そういうのも海外と日本では背景や生活基盤が違うので、まんま参考には出来なかったりするんですよね。

後藤 WAL-MART(ウォルマート)も、TARGET(ターゲット)とかも、もう標準でECへの取り込みも積極的に行ってますし、オムニチャネル戦略がしっかり確立しているとは思うんですけどね。ただ海外でも amazon や Alibaba が好調な中でどう太刀打ちするのかって模索している時期だと思うんです。なので成功事例というとまだ難しいかもしれませんね…

学生A amazon や Alibaba などの巨大EC市場が日本にないことも難しいのでしょうか?

後藤 もしかすると LINE と経営統合した Zホールディングスが目指しているのはそういうところかもしれないですね。モバイル端末に入っているLINEアプリなどがキーとなって…彼らがamazonやAlibabaのようになれるかというのは注目です。でも正直、日本でQRコードってあんまり使わないですよね。

学生C QRコード…確かに使わないです…

後藤 それよりもBluetoothで跳ね返ってくるようなビーコンとかの方が…例えば UNIQLO とか行くとクーポンが飛んでくるじゃないですか。そういう方がもしかしたら日本人向きなのかもしれないし、なんか日本なりの普及方法があるんじゃないかと思いますけどね。


OMOが消費行動を変える

「OMO」という、小売業全体でもまだまだ正解の見えない難しいこのテーマ。双方様々な想いを語り合いました。オンラインとオフラインという意識すらなく買い物が楽しめる世界は、日本の消費行動も変えていくのでしょうか?

この話はまた次回へ続きます!