パールマネキンのクリエイティブに欠かせないクリエイターを紹介するインタビュー企画「クリエイティブの美学」。今回は、パールマネキンでアートディレクターとして活躍する 小川 俊弘(おがわ としひろ) を紹介します。

感動を生み出すために走りつづける小川の「クリエイティブの美学」とは?

▲小川 俊弘(おがわ としひろ) / パールマネキン アートディレクター。名古屋デザイン部門のリーダーとして幅広く活躍するオールラウンダー&THE仕事人。毎日ワクワク・ドキドキしながらジャンルに縛られず自由にデザインしている。プライベートでは二男一女の父であり子煩悩な一面も。

小さい頃からお菓子が大好きで、パッケージデザインやネーミングなど商品開発に携わる仕事をしたいと思っていたんです。でも、小さなスペースを彩ることだけじゃなく、もっと大きな空間を演出できたら楽しいだろうな・・・と考えるようになって、インテリアの学校に通い専門知識を学びました。

パールマネキンに入社したのはかれこれ数十年前。最初の配属先の大阪で2年間、浪速商人に揉まれながら、右も左も分からない状況でディスプレイやアパレル展示会を中心にデザインに携わってきました。

当時はパソコンもなく、プランニングも全部手描きの時代。先輩方の見よう見まねで必死に仕事を覚え、吸収し、徹夜でプランを仕上げたり、夜間から朝にかけての設営作業が何日も続いたりと苦労しました・・・またマネキンなんて取り扱ったこともなかったのですが、2トントラックに自ら乗って納品設営などもこなしたり・・・でもその分やり甲斐も感じつつ、充実した日々を送っていたなと感じますし、今となっては良い経験と思い出になっています。

その後、岐阜と名古屋を行ったり来たり部署を転々とし、現在は名古屋に落ち着いています。

2008年・2009年 某ショッピングモール様:ディスプレイデザイン
2010年 某アパレル会社様:展示会装飾デザイン
2019年 某アパレル会社様:展示会デザインディレクション

人の感情を揺さぶるエモーショナルなデザインが大切

Q1:仕事をする上で大切にしていることは何ですか?

自分の考えた空間や造形でたくさんの人が楽しんだり、感動したり、時には涙してくれることもあり(って大袈裟!?)・・・ 「人の感情を揺さぶるデザインとは?」を常に頭に置き、どのように表現していくかというイメージ戦略をたて、ビジュアルの雰囲気やテーマの設定、コンセプト作りなど、「ブランディング」としてどう表現していくかを意識しています。

Q2:この仕事で楽しいと感じるところは?

クライアントに共感をいただき、物づくりをして、世の中に自分がデザインしたものを送り出していく事で多くの人を感動させる事ができるところですかね・・・。一方的なデザインを作るのではなく、同じベクトルで同じ方向性を持ってプロジェクトチームが動いている時はとてもわくわくします!

また、先日完成した「パールマネキン名古屋スクエア」のリノベーションデザインも楽しい仕事でした。自分の職場という事もあり思い入れも一入で、チーム一丸となって挑み、今までの各部署が壁で仕切られたコミュニケーションが図りづらいオフィスから、更にチームワークを発揮できる仕掛け満載のオフィスになったと自負しております!

Q3:逆に大変だなと思うところは?

アートとデザインの狭間で毎日葛藤しています。自分自身の中にあるモノを何かしらのカタチで表現し、世に出していく・・・自身の価値観を主張しつつ、クライアント様のニーズや目的を達成するために趣向を凝らして、今でも日々修行中であります。

Q4:思い出深い案件のエピソードを教えてください

ある展示会でご発注頂いた、アパレルブランド専用のオリジナル什器。入念に指定色など確認しましたが、ブランドの専任デザイナー様より「什器塗装カラーが想像した色と若干違う」とのご指摘を受けてしまい・・・翌日から展示会開催というタイミングでの出来事だったので、「超特急」で仕上げ無事開催に間に合わせました。ビッグネームのブランドということもあり、クライアント様と製作チームとの間に挟まれ、右往左往した事を今でも鮮明に覚えています。その甲斐ありクライアント様からの信頼も得、展示会に対し「大成功でした」と高く評価を頂くことも出来ました。

それ以降はより慎重に物事を進め、最善の注意を払うよう一層心掛けるようになったキッカケの出来事です。

2002年 某アパレル会社様:展示会什器デザイン
Q5:尊敬している人はいますか?

誰というわけではありませんが、お笑いタレントさんに憧れます。多分自分には無い才能をもっているからでしょうね(笑) タレントの方々は多種多様な企画を成功させるためにクイズ、グルメレポート、体を張る企画、過酷なドキュメントバラエティ、海外ロケ…etc…パフォーマンス力、トーク力、チャレンジ精神、キャラクター性を発揮し活躍されています。クリエイターもどこか通じる能力の必要性を感じます。

Q6:休日の過ごし方は?

日々のデスクワークで脳を駆使している分、休日はのんびりスタイルを貫いています・・・のんびりしすぎてまったく運動もしてませんが(笑)。

たまに友人と小旅行で温泉に行き、ゆったり&まったりした時間を過ごし脳をリラックスさせることで、またデザインする脳に活性し直し創作意欲に繋げています。

Q7:デザイナーという仕事をするにあたって、向き・不向きはありますか?

何事においても、物事に対して「興味」や「関心」をきちんと持っているかということ。

相手のことを「知りたい」「もっと理解したい」という気持ちがあるからこそ、会話を通じてコミュニケーションを取って意思疎通を図ることで信頼を得られたり、完成した時の喜びを分かち合えたりする醍醐味を感じられるのだと思います。コミュニケーション能力が高い人はクリエイター向きなんでしょうね。


素直に感じる気持ちから生まれる、心の通ったデザイン

アナログからデジタルに変化し、提案内容も大きく進化してきました。今後の目標としては、コンピューターによる情報処理能力を活かした「デジタルデザイン」での造形にトライしたいです。デジタル処理した造形は高度な形状が可能となり、より複雑化したものが作れます。デジタル・インフォメーション・テクノロジーの力で、デザインも更に進化していくのではないでしょうか?

また、先日パールマネキン名古屋スクエア内(名古屋市西区)に、デジタルを取り入れた体験型ショールーム 「ACTIVE STORE(アクティブストア)」を東京スクエアより移動開設いたしました。

パールマネキンでは、オムニチャネル時代の次世代型リアル店舗を「ACTIVE STORE」として提唱しており、デジタルプロダクトに特化した具体的なモデル売り場をショールーミング化しています。

デジタルを用いたデザインを今後どんどん突き詰めつつ、しかしやっぱり生身の人間ですので一番大切なのはハートです。侘び寂びなどを代表とする日本人ならではのステキな心遣い文化の中で、美しいものを「素敵だ、美しい、綺麗だ」と素直に感じながら、人とのふれあい・出会いを大切に心の通ったデザインをこれからも追求していきます!