昨年からのコロナによる時代の変化は、私たちの想像を超えていました。しかし、混迷の中にも光を見出して前に進んでいかなければならない。2021年という年は世界各国や日本、私たち企業にとって、そして皆様一人ひとりにとっても、大切な年になります。

私たちは空間ブランディングを通じて、「 pearly days = トキメキの日々 」を皆さまと共創するために、今後もメディア発信を続けてまいります。今年最初の記事となる今回は、「2021年の空間デザインにおける注目すべき3つのポイント」をご紹介します。


DX時代に求められる「情緒的価値」

DX(デジタルトランスフォーメーション)の時代において、空間に携わる私たちは何をすべきでしょうか。

空間はヒトが訪れ過ごすことによって、はじめて意味を持つように思います。ECでも商品を購入することができ、接客までWEBで受けられる。そんな時代だからこそ、店舗で過ごすことがより貴重で特別な時間になります。

その空間でしか味わえないこと、体験という価値をあらためて深く考え、味わった感動や心の動き、つまり「情緒」が価値となる時代だと私たちは考えます。どこまでもデジタルな時代に、そこだけの「情緒的な価値」が求められていくのではないでしょうか。

withコロナにおいて必要とされる「オフィス空間のリノベーション」

これからのオフィスはいかにあるべきかという議論が、昨年から活発にされてきました。空間という視点において、自宅でもどこでもリモートワークが可能で、各企業がそれを制度として取り入れている今、リアルな集まる場としてのオフィスはどうあるべきでしょうか。

今後も「サテライトオフィス」や「サードプレイス」が充実し、働く場所が分散化する流れは変わりません。一方で、リモート会議で私たちが日々感じるように、チームの士気をあげたり、説得したり、相手に熱量をもって伝えることが必要である場面は度々あると思います。リアルな場であるからこその、集まる価値を高める・・・そんなオフィス設計が重要になるでしょう。

また、withコロナの視点においては、非接触を重視し、換気等の基本的な事項を見直していく動きも活発化すると予測されます。今あるリソースを上手く活用し、空間を見直していく「空間のリノベーション」がキーワードになるかもしれません。

サスティナブル社会の実現には、注目の「サーキュラーデザイン」がカギ

2030年の目標達成を目指すSDGs。すべての企業が事業活動を通じて、サスティナブルな社会に寄与できるよう、日々考え続けなければなりません。

空間デザイン・設計においても、設計段階より再利用可能な素材の使用を意識し、リユースにも積極的に取り組むことで、廃棄物削減を目指すことが必要です。

今では「サーキュラーデザイン」という言葉があります。リサイクルなど廃棄物排出を前提とした現状の活動ではなく、廃棄物をなくすという前提に立ち、サーキュラーエコノミー(循環型社会)を作り出すためのデザインコンセプトです。

より長期的に使用できる耐久性のあるもの、エコな素材を使用すること、脱物質化をしてWEB等のサービス化をすること。様々な機関がサーキュラーデザインの方向性定義していますが、代表的なEllen MacArthur Foundation(エレン・マッカーサー財団)IDEO社による ” The Circular Design Guide ” が有名です。

出典: The Circular Design Guide
https://jp.ideo.com/post/the-circular-design-guide

プロダクトデザインにとどまらず、空間デザイン・空間設計においても、木を使用すること、家具等リデザインを施したり、電力節約になるLEDを基本とするなど、考えるべきことは多くあります。廃棄前提の設計からそもそもの廃棄を減らすにはどうしたら良いのか。そのような視点でデザインすることがますます求められるでしょう。


空間ブランディング企業として

以上、今後空間デザイン分野において重要となる3つのポイントを挙げさせていただきました。 コロナ、DX、これからも続く大きな変化の流れにおいて、リアルな空間に携わる私たちに突き付けられる課題は非常に難しいものです。

時代の変化に柔軟に対応していくことが肝要です。「情緒的価値」「空間のリノベーション」「サーキュラーデザイン」・・・これらの未来の可能性をヒントとし、皆様とともに空間創造のチャレンジをしていきたいと考えます。

本年度もよろしくお願いいたします。